『ある奴隷少女に起こった出来事』 

動機

新潮文庫の100冊 2018年版を読む
7冊目

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すすめる?

奴隷制はいつまであったのか?
アメリカ合衆国では1860年代まで奴隷制が敷かれていたらしい。

このことに私は驚きました。
奴隷制はずっと昔の、現代とは続かない社会の中での話だと思っていました。
大航海時代などの話かと、ぼんやりと考えて生きてきたのです。

本書は、難解な歴史的な書物や、学術書ではありません。
難解な書物を読み解かなくとも、奴隷制があったということを知ることができる。
私のように無知な者でも、読むことができる。
そのことに価値があると思います。

内容

アメリカ南部出身の女奴隷が自由になるまでを綴った物語。
元奴隷が自身の体験を綴っています。

この方は、最後は自由になりますが、自由を勝ち取ったのではありません。
それが奴隷制です。

感想

この物語は実話であるらしい。
しかし、出版当初は創作として受け止められた。

屋根裏に何年も生活するという、常人には耐えられそうにない描写があったり、奴隷監督があまりにも残酷すぎたりするために、そのように受け止められたのかもしれない。

しかし何よりも登場する人々の考えに、納得がいかないのが一番大きな要因なのではないかと感じます。
奴隷に対して、どこまでの酷いことが平気でできてしまう奴隷監督がいます。
奴隷とは馬鹿な存在だと考えて接している医者がいます。

夜と霧を読んだ時にも感じましたが、人間は恐ろしいものですし、何よりも恐ろしいのは、その人間が特殊ではないということです。
権力を持たせたら、何をするのかわからない。自分は大丈夫だと思っていても、大多数は大丈夫ではないのです。
それが恐ろしい。

同時に反対に、逃げ出してきた奴隷を、自分の身が危険にさらされるにも関わらず助けてくれる人もいます。
私などは心が汚れていますから、助けている人は、考えが浅いのではないか?などと感じてしまいますが、これではいけないのでしょう。

とこれで、この本を読み進めるのは少し苦労しました。
このタイトルは刺激的に過ぎる。
電車内で読みにくいと感じるのは私の心が汚れているから?