書籍『首折り男のための協奏曲』

継続的に読んでいる数少ない作家さんの伊坂幸太郎氏の作品。
短編のいくつかは先に読んでいました。

未読の自分にすすめる?

内容

7本の短編から構成されています。
伊坂氏幸太郎氏の作品の多くはリンクしており、今作もリンクが多いのではないかと考えていますよね?

半分外れです。
まず、今までの作品で登場していた、泥棒の黒澤は登場します。短編の2本は黒澤が主人公です。そういう点でのリンクはあります。
しかし、それ以上に強いリンクはあまりありません。
したがって、ほぼ独立した7本の短編と考えていいです。

前半の短編は首折り男という殺し屋のお話です。
1本目は読んだことがありますよね?
2本目は1本目の続きではなく、首折り男が登場する話です。

このように続き物ではありません。

すすめる?

最近の伊坂幸太郎氏の作品の中では残虐な描写が少ないように思います。
その点ではあなたの好みでしょう。
死神の精度のような軽やかさはありませんが、手に取ることを止めません。

ただし、読み終わった時に、あなたの中の伊坂幸太郎氏の作品序列上位陣が変わることはありません。

スポンサーリンク

既読の自分と語らう

本の帯の売り文句が下手だと感じたことと、黒澤について語りたい。

帯の売り文句が気に入らない

思わず「あっ」と声が出る。
この驚きこそ伊坂マジック

…この売り文句、ちょっと手抜きすぎませんか?
そりゃ、何度か映画化されている売れっ子作家ですし、黙っていても売れるのでしょうけれど、もう少しあるでしょう。

本書の筋書きは、「あっ」と言わせるものでなくて、登場人物がつながっているだけでしょう。
伏線の回収とかがあるわけでなく、声が出るような驚きはありません。
「ふ~ん」という感じで読み進めるものです。

それがこの売り文句になったのは、「伊坂幸太郎の作品ならばこう書いとけばいいんでない?」
みたいな手抜きを感じる。

黒澤の印象の変化

黒澤は、伊坂氏の作品にはちょくちょく出てくる気がします。
もっとも多かったのはラッシュライフでしょうか?

その時の印象は、スマートな泥棒。
重力ピエロでも、中性的なデザインのジャケットを着こなす、かっこいいけれど、不思議な男性でした。

本書の黒澤は私の感じていた黒澤とは若干異なります。
彼は、面倒くさいという理由で、制作プロダクションの男の作戦に引っかかったふりをして返り討ちにしていました。
私の思う黒澤は、そもそも制作プロダクションの男に、存在を知られることのないスマートな存在でした。
引っかかったふりをして返り討ちにする賢さは、「陽気なギャング」の成瀬の印象です。

黒澤は他の作品で、人の感情がよくわからないとも言っていました。

知れば知るほど、最初のかっこいい男から離れてしまう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク